【娯楽】映画「グリーンブック」
我が崇拝する俳優にして最高の映画監督、クリント・イーストウッド最新作「運び屋」を観に行ったときのこと。
同時に上映していたのが、今年のアカデミー賞を総なめにした「グリーンブック」。
イーストウッドとアカデミー総なめ、迷ったネ。
迷った挙句、予定通りイーストウッドに1票を投じる。
実話の映画化とあってリアリティー満載ながらコミカルな味付け。
出来は、可もなく不可もなし。
90歳を目前に主演、監督と衰え知らずの活躍に頭が下がる。
さて、訳ありでおよそ6週間後に、総なめちゃんのほうを観に行くことにした。
通常、6週間もやってる映画はない。
なにせ6週間もの、客の入りも良く、アカデミー総なめちゃんに期待が高まる。
内容は、60年代のアメリカ南部を舞台に、人種差別を主題とした実話。
主人公は二人。
金持ちで教養ある黒人クラシックピアニストと、彼の運転手に雇われる貧乏白人のロードムービー。
グリーンブックとは人種差別の激しいアメリカ南部で発行される、黒人が利用可能な施設名を記したハンドブックのこと。
人種差別は白人である運転手、前職はナイトクラブの用心棒をしていたイタリア系アメリカ人にも向けられ、差別と差別の絡まりも描き出す。
トランプを支持した貧乏白人のルーツにも思いを向けさせる。
東欧系、アイルランド系、ロシア系などなど、WASP以外を全て差別の対象とする構図が見える。
順番は、白、白系、茶、黄、黒か。
エリート黒人を侮蔑するたび、彼に静かに諭され、頭に血を昇らせる貧乏白人。
それでもそんな旅回りの中で、心を通わせ始める運転手兼ボディーガードと雇い主。
このあたりの数々のエピソードと心理描写の憎いこと。
大ヒットしたフランス映画「最強の二人」の逆バージョン。
こちらも素晴らしい映画で、やはり実話。
観終って、我が1票は手順前後だったことに気が付く。
アカデミー賞総なめは当然で、カンヌ戴冠の「万引き家族」が付け入るスキはない。
まったく素敵な映画で、いつまでも終わらないで欲しかった。
終わり方も素晴らしい。
旅の最後に貧乏白人の家に立ち寄ったエリート黒人に、妻が言う。
夫が出した手紙なのに、彼に向い「素敵な手紙をありがとう」。
このシーンに、アカデミー賞もう一つ追加。
こんな映画を送り出すハリウッドが、どうしてマーベルみたいな映画で稼ごうとするのか不思議。
CGを多用し、金をかければ良いとは限らないことをハリウッド自らが認めた価値ある作品だ。
スターを主人公にする必要はない。
美人もグラマーも必要なし。(でも、たまには、・・・いいかな)
良い脚本で十分。
それを世界中が正しく評価する。
テレビで目にする若者がハチャメチャするサムライ映画。
誉田哲也先生の姫川玲子シリーズの映画化やTVドラマ化に、どうして竹内結子だの二階堂ふみなの?
原作読んでないの?
読んでたらあり得ないキャスティング。
ガンテツが武田鉄矢だって。
誉田先生、マジ怒ってヨ。
麻薬王、ピエール滝しかねえべよ。
その点、NHKはさすが。
日本映画の馬鹿ども、皆、たけしのキャスティングに学べ。
たけしのテンポとカメラアングルに学べ。